令和3年3月定例会が閉会
“危機対応モード”予算案は・・・修正可決に

こんにちは、上尾市議 尾花あきひとです。

3月定例会が閉会となりました。
定例会を通じ「令和3年度 当初予算案」をはじめ 議会としての審査・表決を行いました。

 

市提出予算案は 議会により修正

“危機対応モード”と銘打たれた新年度予算案
「コロナ禍等による年度内の市税減額幅を約15.7億円と見込み 各種補助金等の削減や不要事業の見直しをかけた」という説明でしたが、定例会を通じた細部審査の結果、議会側から一部事業を減額修正する案が提出され全会一致で可決、令和3年度の当初予算案は 修正可決という結果に。
(現市政としては2度目となる 議会からの予算修正となります)

削除された箇所は「上平地区複合施設の基本設計委託料」です。
これは、以前の「新図書館複合施設 整備事業」について 現市長が就任後「再開でもなく中止でもない 見直し」を表明して以降、同用地で「図書館分館機能を含む複合施設」建設が検討されている案件です。
(予算案に計上された設計委託料は2508万円、今後の建設費全体は約10億円の計画)

施設の基本構想策定等にあたっては 有識者や市民を中心とした「上平地区複合施設検討委員会」が設置され、「複合化する施設の選定」をはじめとする議論が行われてきましたが、「検討会議からの最終答申が出ていない状況で 市が 施設の基本設計委託料を新年度予算案に計上し、議会に提出した事」等について、予算委員会の場で各議員から厳しい意見が相次ぎました。

市長の答弁では「予算計上した事については『検討委員会より答申を頂いてから 議会に上程する事が理想ではあるが、年度内に答申を頂ける見込みであったため』予算化を行った」といった発言がされ、部局別審査の後日に「議会3月定例会の会期最中に 再度の検討委員会が開催され 答申が得られた」との報告がありましたが これにも検討会議委員から6項目の付帯意見が付けられたといった状況でした。

これら経緯の後の予算委員会最終日、議会側から「新年度予算案から 当該事業部分のみ削除する修正案」が提出された次第です。

 

修正案 提案理由

◆予算案が提出された2/19時点では 検討委員会は市長への答申に至らず、3/2に開催された同委員会での議論を経ても 市民の理解を得るに充分な検討の結果の提案とは言いがたい状況である

◆「臨時財政運営方針」では「市民の安全確保等以外の工事や設備整備の見送り」が示されているが これに則った必然性が充分に示されなかったため、コロナ禍終息の後 本事業を検討すべき

以上、2点が主な理由となっております。

予算委員会での修正案 可決の後、定例会最終日の「全議員による改めての表決場面」でも 全会一致にて減額修正案が正式可決となりました

なお、余談ですが 本修正案は他会派から提出されたものです。
個人的には 前任期より一貫して「議会での表決態度決定において『提出者が誰か』等の都合に左右された結果、市民生活にとっての善し悪しが阻害される事があってはならない」という思いを持っておりますので、今回の修正経緯で 冷静な審査の結果 全会一致をみた事は 合理的運営が図られたものと考えております。

 

全会一致にて減額修正案が可決

※ なお、予算案に対する修正案 採決の後には「修正部分を除く予算案全体」の採決が行われますが、こちらについては そもそも予算案全体に反対の会派等があるため全会一致ではありませんでした。
(予算案全体のうち「修正案」は全会一致で可決。「修正部分以外の全体」は賛成多数で可決 という結果です)

 

 

“施設に配置する各機能の 再度見直し”を決議 

これに加えて、「上平地区複合施設に配置される各機能を再度見直す事 を求める決議」が各会派代表者連名のもと提出され、全会一致で可決となりました。

 

決議内容

より良い複合施設にするため、下記の措置を講ずるよう求める

◆上平地区複合施設に配置される各機能を再度見直すこと

◆配置される各機能を見直した内容を議会に提示すること

◆コロナ禍における社会情勢や財政状況を考慮し慎重に進めること

決議自体には法的拘束力はありませんが、中途半端で費用対効果の悪い計画とならないよう、また、コロナ禍で推進すべき事業か等、議会として今後の推移をチェックしていきたいと考えます。