【提案実現】独自調査〜提案した「避難所開設キット」が 市内 全避難所に導入されます
こんにちは、上尾市議 尾花あきひとです。
確定した予算に沿って 新年度の市事業がスタートしています。
私が提案してきた「避難所開設キット」が 上尾市の 全ての指定避難所に導入される事になりました。
避難所開設キットとは
平成31年、私が文京区を個人視察し 情報収集してきたものです。
視察先では東京消防庁の出向者から詳細をお聞きでき、その後の一般質問等で上尾市に紹介・導入を提案しました。
「災害発生時の避難所開設」は、自主防災組織が中心となり 住民主体で行わなくてはならない事が想定されます。
そこで有効となるのが、この「避難所開設キット」です。
「参集した人が 初見でも避難所開設・運営を可能とする」をコンセプトに——
❷避難所開設に必要な各種物品
これらを「1つのボックス」に収めた災害対策ツールです。
文京区視察時の様子(H31年 1/31)
提案〜導入の経緯
一般質問で文京区の事例を紹介し、
・指示に 他の人が従いやすくなる効果もある
・文京区は配備後に「各避難所ごとに最適化されたバージョン」を作ったが 上尾市は 避難所ごとのマニュアル整備を進めているため 応用すれば楽では?
利点と共に 導入を提案。
この質問をきっかけに、担当課は先進自治体である新宿区や 上記の文京区にヒアリングを実施、導入の検討を進めてくれていました。
その後「若手職員による提案制度」で事業化が企画されたそうで、令和2年度には試作品を作成、昨年8月の上尾市総合防災訓練で試作品が お披露目となり 実際に使用しての訓練が行われました。
令和2年度 防災訓練の様子
複数の物品コンテナと組み合わせた使用も想定されていました
訓練での検証結果「キットの有効性が確認できた」との報告があり、各自主防災会に対するキットの説明等を経て、今回の予算化に至ったとの事です。
上尾市版「避難所開設キット」完成品
担当課より、配備版について説明を受けました。
キャリーケース型のため 牽いて持ち運び可能
開封前からマニュアルがスタートします
コロナ禍に対応し 感染症対応の資機材コンテナも実装
蓋をあけると 各段階のマニュアルと物品が納められています
作業を段階と役割ごとに具体的に記載しています
キットは、開設・運営に必要な作業を段階ごとに分割し、
・平時からの準備事項
・発災から3時間程度までで行う開設作業
・3時間後〜72時間後までの生活基盤の形成
・72時間後以降の避難所運営及び閉鎖
と、段階に応じた活動内容が記載されています。
これら手順書と、作業に使用する資機材や様式等をファイルケースやコンテナボックスに収納した形です。
手順書を一つずつこなしていけば、参集した誰もが迷わずに 避難所開設を行うことが可能となるよう工夫されていました。
また、コロナ禍の反映状況が気になっていましたが、専用物品のコンテナも別途追加されているようです。
今後の展開予定
昨年の総合防災訓練は市民体育館でのキット使用でしたが、令和3年度は 8月に いよいよ市内 42カ所 全ての避難所で実際に使用され 開設訓練が行われる予定です(※)。
(※訓練実施は感染拡大状況で判断されます)
キットの手順書は各避難所に合わせて個別設計され カスタマイズ可能なため、毎年度の訓練を経る事で中身が更新され、住民と共にキットが強化できる仕組みです。
いつ到来するかわからない災害のため、自主防災会をはじめ自助・共助・公助の考えに基づく地域防災力の強化に繋がればと切に望みます。
プロフィール
上尾市議会議員/38歳
1983年 上尾市生まれ。明治大学政治経済学部卒。
ドラマ・映画演出部、地元で企業活動を経て上尾市議会議員。
行政改革・市民協働・地方分権を基本に、地域の潜在力発揮に向けて活動中。