予算案修正の「再議」結果は・・・再可決。
不明瞭な「PAPA借り上げ」にストップ!

こんにちは、上尾市議 尾花あきひとです。

先日のブログでお知らせしたように、市政施行以来 初めてとなる「市の予算案に対する 議会による修正案」が可決

※「歳入歳出 6548,000万円ずつ」→ 「歳入歳出 6509,9926,000ずつ」に減額修正
自治体の
予算書には「歳出(年度内に使う予定額)=歳入(使う金額の調達方法)」が記載されています。
歳出で不要になった額は歳入でも不要になるため、今回の減額分は、年度内のお金の動きとは別である自治体の貯金「財政調整基金」に戻しています

例えるなら、
「予定していた買い物全体のうち 商品Aを買わない事にしたため、
財布の中身からAぶんの金額が不要になり、預金から財布に持ってくる額をAぶん減らした」という事です。

 

 

今回削除した事業である「民間床借り上げ」は、手法や場所自体に反対するものではありませんが、
主な理由として、

・ 場所がPAPAに決定するまでの「経緯」が不透明であり、前の図書館計画の繰り返しとなりかねない。一度立ち止まって、今度こそ市民の意見を聞く場をしっかりと設けるべき。

・市内各施設の改修時の一時移転先としてPAPAを借りる計画との事だが、改修の緊急性について客観的説明が不足している。

・PAPAの内装工事費として市が計上した「2億円」について。建物の賃貸では、今回のような「スケルトン貸し(=躯体の状態で借りて内装は「借主側」で仕上げる)」の場合、「借主側」である上尾市が内装工事を実施するのが通常だが、今回は「貸主側」で実施し、代金を丸ごと上尾市が負担する計画が示された。内装業者も不明・見積書も無しという状態で、費用根拠が不透明なまま、入札を伴わない公費を投入する事は出来ない。

これらの理由から修正案に賛成し、結果は可決
3月21日の議会で「北上尾『PAPA』借り上げの関連予算」は削除されました。

 

その後、3月議会閉会の挨拶において 市長は「修正案に関しては論点が2つある」と述べ、

・「市民の安心安全のために再議が必要」
・「議長から『今回の修正動議はお灸』『お土産をあげ、お土産をもらう。それが政治だ』と市幹部が言われた」「議長の言葉をまとめれば、議長に対して私が『お土産』を渡さなかったので、予算修正という形で私がお灸を据えられたという事」

と添え「再議請求権」の行使を表明。
3月27日に「予算修正を再議にかける臨時議会」が召集されました。

再議について(事務局作成資料)

再議の際にはルールとして「理由を記載」する事となっています。
再議書は臨時議会当日の朝まで配布されませんでしたが、記されていた内容は・・・

当日朝に配布された再議書

このように「市内公共施設の改修工事費が計上されている一方、その一時移転先の確保に関する費用が計上されていない。この事から予算全体としての整合性を欠く」旨が記載。(当然、議長の事は「再議理由」には書いてありません)

市側の主張「整合性を欠く」という表現についてですが、そもそもこの「再議」制度、
①一般的拒否権 ②特別的拒否権
 の2種類によるものに分類されます。

「義務的経費の削除」「非常災害復旧費等の削除」「収支または支出について執行不能」である場合等は、②特別的拒否権の発動となり、自動的に再議がかかります。
今回は任意の発動である①一般的拒否権での再議であることからも、違法性はなく、「整合性を欠く」という表現には違和感がありました。


とはいえ、見解はともかく「再議」そのものは、市長側が持つ正当な権利
です。

そして、一方で「予算修正」も議会側が持つ正当な権利
である事を述べておきます。

市側は議長発言を暴露・糾弾する中で、今回の修正案を公然と政治的文脈で捉えるような発言をしています。
報道を見る限り、修正と議長発言を紐づける発言が様々な場面で出ているようですが、修正案の提案者はそもそも議長ではありませんし、議長個人がどう捉えているか知りませんが、その個人発言を紐づけて 市長が修正行為そのものを批判するならば、極めて危険な発言です。
その発想には「市民が不在」だからです。

今回の予算修正は、あくまでも議案に対しての異議から行われています。
そして、お灸どうこうという「議会と行政の村社会」レベルの話ではなく「PAPAを公共施設の移転先とする話が浮上してきた経緯についての明確な説明が不足しており、議会側の一員として納得がいかない為」私は賛成です。

 

 

「再議」を受けた採決の結果・・・
「先の議決通り、PAPA関連事業費は削除という形で確定」しました。

先の討論で述べた、今回の議案の問題点について。
討論原稿を以下に掲載しますので是非ご覧いただき、修正案の是非について市民の皆様にご判断いただければ幸いです。

 

 

 

◆◆◆ 討論原稿 ◆◆◆

1番、尾花瑛仁です。
「議案 第6号 平成31年度 上尾市 一般会計予算」に対する 修正案に、賛成の立場から討論を行います。
 

首長提出の予算案に対し、修正案が提出されるという事は、二元代表制が機能した、極めて正常な地方自治の形です。
我々 議会は追認機関ではありませんし、「正常な予算修正権の行使である」事を まず申し上げ、討論に入ります。 

新年度予算案には、現場の職員が時代背景を鑑み、市民生活向上に向けて編成した姿が想像できる、各計画があります。
一方で、公共施設マネジメントに関しては、拙速な印象を受けております。

「民間の床活用という手法」や、場所自体に反対するものではありませんが、北上尾のショッピングモールPAPA内の当該箇所に決定した、その経緯が不明瞭であり、今議会での執行部説明や質疑への答弁からは十分な説明が得られなかったと思っております。
見直しとなった図書館計画について、市は「説明責任が十分に果たされなかった」と述べておりますが、その反省を生かし、前回の轍を踏まないよう、慎重な対応が必要であります。

この計画が発表されたのは、市が12月の全議員説明会、およびマスコミ各社に対し、
「PAPAの民間床活用を3月の議会で議案化したい」とし、「議案になる前の計画をマスコミ発表した」ところがスタートでした。

内容について「上平への図書館本館・新設の見直しにより公共施設マネジメント全体に影響が生じて、コミュニティセンター改修の緊急性から、その内部にある消費生活センターの移転先を探している」旨の説明がありましたが、そこからの、「この104平米相当の施設の 移転先を探していたところ、たまたま北上尾のショッピングモールPAPA内に約2000平米の民間の床が見つかり、各公共施設の一時移転先の用地とする案が出た」との経緯について、理解しがたい部分があります。

「消費生活センター移転に対し、複数施設の改修に伴う一時移転案を抱き合わせた」この計画に関して、市内の各施設改修の指摘を引き合いに出されていましたが、「直ちに改修が必要な箇所」については、「市民の安心安全」といった抽象的な表現のみで、客観的指標のような、明確な説明が現時点まで得られていません。
本来、詳細な説明が必要な部分であると思います。

また、総務常任委員会での資料請求で出た、この計画の最終決定が行われたという市長・副市長・教育長および部長級までで構成する「上尾市 個別施設管理基本計画等 評価委員会」の会議録や、3月8日の深山議員の一般質問への答弁によると、PAPA借り上げの経費比較の根拠として示された数字は、「約2000平米に対して建築物を作った場合の金額」等が 示されている一方、適正面積がこの数字である根拠が無いため、そもそも比較する面積が2000平米相当という時点で、PAPAありきの計画であるように見えます。

同日、私の一般質問の中で「12月の全議員説明会での報告『上平の建設が見直しになったために、コミセン改修に伴う消費生活センターの一時移転先が必要になった』との話によれば約104平米相当の物件を調査したのか?」との問いに対し、「公共施設マネジメントを前提に探した」と答弁があり、また、同じく報告にあった「市内の民間施設を利用可能かどうかの調査を上尾駅近郊の商業ビルや、市役所および 北上尾駅近隣等で行なった」との内容について、その調査の詳細を伺ったところ、「事業者側から施設名は公表しないでほしいと依頼があった」として「A〜E」とアルファベットで「5箇所を調査した」旨を答弁されましたが、その後入手した詳細資料では、「探した一覧」として、この5箇所の日時と場所、および面積が記載されており、これによると面積は「98.8平米」から調査が行われています。
前述の答弁内容が不明瞭でありますし、「本来、緊急性がある面積は約100平米ではないか?」という疑問が生じます。

そして、庁内次長級会議の会議録では、事務局から「本事業は、新図書館・複合施設の見直しに伴い、
改修が滞ってしまった施設の一時移転先の確保という趣旨」という発言があり、これは消費生活センターのみを指しているのではないでしょうか。

また、調査した候補地の一つとして予測できる、上尾駅周辺の、市がかつて再開発によって取得した建物内については、しかるべき複数の人物にヒアリングしても「市による調査があった事実」が確認できておりません。

 今議会で議案化された際、12月の説明時とは異なり、急遽、「商工会館 改修工事中の一時移転先」も、2120平米の中に加わった事が、発表されました。
1月28日に商工会議所から「PAPAを一時移転先に」と要望が提出された との事ですが、先日の議会改革特別委員会での説明によると「予算編成に関する市長査定は1月25日であった」との事ですので、市長査定後に出された要望であります。
予算書上、この変更に伴う新規の計上はありませんが、商工会館部分が入った前後で、ゾーニングは変化しているはずです。
随分、急な計画変更であると思います。
他の用途面積が減少したのではないかとも 思いますが、今回示されている床全体のゾーニングが概略図にとどまり、面積内訳が詳細に説明されていないため、確認ができません。 

この要望書については、私自身は商工会議所・青年部の活動の中で、「『PAPAでどうでしょうか』という話が、市の方からあった」という話を耳にしています。
また、耐震工事中の代替地として「文化センターではどうか」と言ったところ、「市民活動への影響から難しい」と説明されましたが、過去の事例も含め、これらをハッキリしなくてはならないと思います。 

PAPAの民間床借り上げに際しての内装工事について、計上された2億円という金額は、スケルトンであれば「借主側」である上尾市が実施するのが本来と思いますが、今回の、「貸主側」で実施して、その金額を「内装工事負担金」という形で、「入札を伴わない公費」で出すのは如何なものかと思います。
大室議員からの「こういったケースが過去あるか?」との質疑への答弁で、JRの改修工事の例を挙げられましたが、言うまでもなくこれは、民間とはいえ、「国鉄が民営化された事業者」という特殊なケースであり、今回とは全く違います。

内装工事に2億円かかり、撤退時の費用予測も、概算約4000万円と答弁されていますが、「契約は1年更新」との事で、一方、借り上げ期間については、答弁で「図書館とコミュニティセンター改修工事に限っても2カ年にわたる事から、ショッピングセンターPAPAを利用する期間につきましては、公共施設マネジメントにのっとり、適宜、判断させていただく」と述べており、何年間使用するか、費用対効果がどうなのかが不明瞭です。
また、1年契約更新の予定といっても、埋めている各施設が同時に退去しない限り、空き面積には都度、別施設を入れていく可能性があり、容易に撤退はできなくなると思われます。
初動を間違えれば、後戻りが効かなくなります。

 

昨年12月の全議員説明会の際は「賃料 月400万円との事でしたが、今議会、質疑への答弁で「共益費込みで300万円に下がった」事が明らかになりました。
ある面では当局の努力とも見えますが、下がれば良いというわけではなく、いきなり大幅に下がる理由が不明であります。

また、「仮契約は まだ結んでいない」と答弁があり、「想定している契約については1年更新」と述べられましたが、通常、5年から10年がテナントの契約期間の更新として普通であり、また、「経済動向を見て、見直し」というのが契約書の文言に入るものです。
「交渉段階では増額はない」との事でしたが、契約段階までいけば、そう簡単ではないと思います。

前提として、民間床の活用自体は良い手法と思いますが、一般質問でも述べたように、借り上げなら、公平に、「公共事業発注」と同じような形で、オープンに、公募とすべきです。
公共が相手なら 安価に賃貸する事業者や市民も出てくる可能性があります。

「図書館については、駅周辺が自然」との見解が、以前ございましたが、逆に、「駅周辺である必要がない施設」も現れてくると思います。
市内各施設の、改修時の一時移転に活用するならば、それらを「駅周辺の相場の賃料を払って借りる」必要性について合理的説明がなく、そして、そもそも”代替地” が 必ず駅周辺である必要はあるのでしょうか。

これらの事から、「PAPA活用が最優先となっている」ような印象を与えかねず、残念ながら、これらを払拭する材料が、今議会中では 十分に示されなかったと 私は考えています。

次に、ここに代替地を必要としているという図書館本館の改修についてですが、上平への本館新設案を前提に構築された「第2次図書館サービス計画」については、再構築後に、本館改修に入るべきです。
糟谷議員から指摘がありましたが、ソフト・ハードは連動しており、ソフト部分での改修が今後発生すれば、また経費がかかる恐れがありますし、また、安全確保に緊急性があるならば、まずは修繕費で即対応すべきです。
一般質問日程中、図書館本館に行ってきたところ、ガラスブロック前のイスは満席で、利用者が読書していましたし、エレベーターも使用できました。
私自身が診断できるわけではありませんが、市が緊急性を訴えるならば、早急に利用者の利便性を最大限担保しつつ、危険と判断する箇所に対しては、立ち入り・使用の制限をかけているべきですし、直ちに修繕に取り組むべきと思います。

図書館改修の概要は、設計を行なってから確定するとの事から、「3カ年予算編成」には、「文化センターの耐震工事の面積割」により約4億5100万円が計上されています。
設計を行うまでの仮の数字とお聞きしていますが、積算根拠が、「文化センター改修工事の平米単価を割り戻している」のでは、裏付けが乏しいと思います。
少なくとも図書館本館は、平成26年度の調査で「耐震の問題をクリアしている」以上、文化センターにおける「耐震化を含む建設費用」を基準にしている理由が、よく理解できません。
「設計費を含む議決」を行えば、事業が動き出してしまう恐れがあるため、もう少し明確な根拠を提示いただく必要があるように思います。

そしてこの改修について、文教経済常任委員会では「大規模というよりも最小限」という答弁がありました。
「改修が必要で、その規模は設計しないとわからない」
にも関わらず「改修中は『必ず』全面閉館しなければならない」
そして大規模でなく最小限の改修だが「閉館中には『必ず』代替地が必要」で
「代替地はPAPA」という、それぞれの論理には、少し飛躍があるように感じてしまいます。

「市民の安心安全のため本館改修が必要」で「これを行うにはPAPAを借りなければならない」という構造になっていますが、必ずしもそうではないように思います。

PAPAのスペースについては、「(仮称)北上尾館」と、図書館ゾーンのみに名称がついていますが、文教経済常任委員会の質疑での、「本館改修後にはどうするか」についての答弁で「今、一時移転先という事では、そのように考えておりますが、今後、PAPA全体の検討というのも、皆さんのご意見を頂く事も想定しているという事ですので、ご意見を頂きながら という事ではありますが、今の段階では戻るという考え方」という不明瞭な答弁をされています。
場合によっては そのまま定住する可能性もあるのか、現段階では、誰も判断ができません。

消費生活センターの移転先については総務常任委員会の審査の中で「はじめから民間床を前提に探した」との旨、答弁がありましたが、現在の機能を満たす事を基準に、改めて公共施設も対象に代替地を検討し直して頂きたいと思いますし、図書館本館の改修は、「本館の位置付けを明確化」するまでの期間、一時移転先の決定に関わらず、緊急を要する箇所を修繕費等で対応頂きたく思います。

 私は、かつて会派移動したのでよくわかりますが、「予算案に対し異を唱える」質問が出た際の執行部の答弁傾向が変わっていないように思います。
図書館を始め、担当者を大幅に入れ替えてもこの傾向が変わらないという事は、個人以上に組織体質の問題であり、より深刻であると思います。
これは新市長が変えなければならない部分です。

図書館行政の再構築には、その経緯からしても、より市民参加を促進する事が不可欠です。
公募に加え、住民基本台帳からの「層化無作為抽出法」を用いて、幅広い層に分布した「市民討議会」を設置するなどし、計画の再検討をお願いいたします。

地方自治の主役は、「市長以下執行部」でも「議長はじめ議会」でも ありません。
議案は常に「市民に対し、有益なものとなっているかどうか」で判断されるべきです。
そこでは、議会と行政の馴れ合いも、軋轢も、等しく価値が ありません。

 「地方公共団体は、その事務を処理するにあたっては、住民の福祉の増進に努めると共に、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」
この観点から、本修正案に対し、賛成の意見表明といたします。

◆◆◆ 以上 ◆◆◆

 

今後、改修が必要な部分については補正予算での計上が予想されます。
政局に捉われる事なく、市民目線で審査を実施してまいります。