中学校給食 食中毒事件
衛生管理に関し 匿名アンケート実施を要請
こんにちは、上尾市議 尾花あきひとです。
文教経済常任委員会の折、2月18日に発生した「中学校5校での食中毒」について質疑があり、市から市民へのお詫びと共に経緯説明がありました。
——市 教育委員会からの報告——
経緯:
2/18、「市内中学校で 生徒・教職員から腹痛・下痢の症状の訴えが多数発生している」と教育委員会に報告があった。
当該学校は短縮授業とし、2/19(金)・22(月)は 全中学校で給食提供を中止した。鴻巣保健所が「共同調理場」「当該学校」の施設・患者調査を開始。
「衛生管理」「調理工程確認」「喫食状況調査」「保存食の検査」「調理従事者・有症者の検便検査」を2/24まで実施。この結果、調理後の保存食からは食中毒原因菌は検出されなかった。
が、有症者の複数の便から「ウエルシュ菌」という食中毒菌が検出された。2/25、保健所は本件について「上尾市が2/17に提供した中学校給食を原因とする食中毒事件」と断定し、埼玉県が公表。
根拠は「有症者の便からウエルシュ菌が検出され、主症状が当該菌によるものと一致した」こと。
原因となった食材や施設は特定されていない。
保健所は同日付で上尾市長に対し「施設の消毒や調理従事者への衛生教育等の実施」を通知。2/26、施設消毒・衛生教育等を行い、「共同調理場職員」「調理業務委託事業者の調理員」が、献立や調理工程見直しを行った。
保健所が立入検査し、施設の清掃・消毒を確認した。これら対応の後、市は「生徒の健康状況が回復しており 衛生管理を一層徹底することで学校給食の安全が確保できる」と判断、保健所の確認を受けながら 3/1より全校で給食を再開した。
再発防止策等の対応:
共同調理場では安全提供のため、保健所から通知された 衛生教育・施設消毒・食品の保管管理の徹底を講じている。
給食の喫食に不安のある生徒には担任・養護教諭・管理職が丁寧に話を聞き 組織的対応と共に、必要に応じスクールソーシャルワーカーを派遣できる体制を整えている。
以上の報告の後、議員から「食材等、原因が分からないと保護者の不安が残る」との意見があり、
これに対して、市は
「施設については 工程も含めきちんとできていると判定を受けた。
食材サンプルの検査結果は陰性だが、埼玉県 鴻巣保健所の見解は『サンプルは冷凍するため 菌の性質上 その段階で死滅する可能性があり、食材の特定までは不明』という事であった。
700人という数字が出ているが、通院したのは18人で いずれも軽症であり、今 聞いている段階では 再開後 給食を食べないとか 弁当持参という方はないと聞いている。
いずれにしても 食中毒事件を起こしているわけであり、中学校給食調理場も 小学校の給食も、作業工程手順を含めて衛生管理の徹底に努める。
食材業者にもこの件を通知しており、一層の徹底を図る」と答弁がありました。
以上のように 調査方法等の関係もありますが 発生原因特定に至っていないとの事で、再発の危険が解消されたとまでは言い切れないように思います。
そこで、私からは以下を質疑。
問「メニューは『広東麺・手づくり焼売・スイートポテト・牛乳』と聞いているが、工程については 焼売・スイートポテトの成形を行いつつ 火入れの時間も必要、生肉に触る作業もあるように思う。
『ウエルシュ菌』は厚労省通知でも出ているように 酸素がなくても増殖し 熱にも強い。
寸胴鍋で煮立てた場合、中央部分に火がきちんと通らないと 他の菌が死滅した後に 生育環境がむしろ良くなってしまうケースがあるとも聞く。
市側で『凝ったメニューにした結果、この工程は危険があるのでは』といったような献立のチェックは如何に行っているか。
そこが再発防止策としての観点に組み込まれているか。
また、学校給食現場等の衛生管理については、色々な話を聞く事がある。
保健所から通知が来て 対応しましたというところで、果たして完全に再発防止が図られているのかというところは心配がある。
洗浄消毒対応に加えて、『現場で匿名アンケートを取って、衛生管理がきちんと行われているか』というチェックをされた方が良いのではないかと思うが見解は」——答「上尾市の給食の特色として、共同調理場と各学校の給食室、両方で調理し、これを併せて給食として提供する形を取っており、今回は 焼売は共同調理場で、スイートポテト・広東麺の汁は各中学校の給食室で作った。
メニューの適正性については、市の献立は『献立作成委員会』という、校長・管理職・学校栄養士・様々な立場の者で検討する会議を経て策定しており、適正だと考えている。
また、委託業者に指示した段階で会議を開き 検討しており、チェックはできていると考えている。再発防止に向けて、例えば『匿名によるアンケートを取って実態を調査するべき』というお話だが、今回、給食室・各学校の給食室も 調理業務は受託業者に委託している。
直接アンケートを取る事はできないが、委託業者を通じて検討できればと考える」
こちらの提案に対し アンケート実施検討を回答いただきました。
発生原因特定に至っていない状況ならば なお、市として可能な調査を工夫し 再発防止策の徹底が必要と考えます。
プロフィール
上尾市議会議員/38歳
1983年 上尾市生まれ。明治大学政治経済学部卒。
ドラマ・映画演出部、地元で企業活動を経て上尾市議会議員。
行政改革・市民協働・地方分権を基本に、地域の潜在力発揮に向けて活動中。